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2006年7月30日 (日)

玄箱 - Debian Linuxをインストールしてみる

さて、玄箱不定期連載2回目です。
前回組み立てた玄箱にDebian Linuxをインストールします。
これを解説しているサイトはとても多いんですが、導入の際に玄箱デフォルトのパーティションでやってるところがほとんどです。デフォルトではDebianをインストールするパーティションは2GBほどしかないので、DBやアプリをいっぱいインストールしたい人には不向きかもしれません。そこで、ここではファームアップデートを行わず、自力でパーティションを切ってからDebianをインストールしてみましょう。
パーティションの切り方は、玄箱のファームアップデートスクリプトを参考にさせていただきました。

まずは、玄箱をLANに繋いで電源をいれます。
玄箱が正常に起動したら、IPアドレスを探します。多くの場合は192.168.11.150かもしれません。しかしDHCPルーターなんかを使っている場合はDHCPからIPを取得している可能性があります。コマンドラインから

---
# ping kuro-box
---

とすれば、IPが判明するかもしれません。unknown hostが返ってくるようであれば、玄箱付属のファームアップデートで検出すれば、IPが表示されると思います。
ここでは、192.168.11.150で検出されたとしましょう。

Tera Termなどのソフトを使って、192.168.11.150にtelnetでアクセスします。

---
Kuroutoshikou KURO-BOX/HG (IESHIGE)
Linux/ppc 2.4.17_mvl21

KURO-BOX-EM login:
---

というような表示がされます。
玄箱HGの場合、ログインアカウントは root、パスワードは kuroadminです。

---
BusyBox v0.60.5 (2003.07.30-12:03+0000) Built-in shell (ash)
Enter 'help' for a list of built-in commands.

#
---

このコンソールはEMモードと呼ばれていて、玄箱に内臓されているフラッシュROMのLinuxです。
HDDにインストールしたOSがぐちゃぐちゃになっても、EMモードを立ち上げて復旧させればいいわけですね。
こういうのはとても便利だと思います。

ファームアップデート後の玄箱はEMモードではなく、HDDにインストールされたLinuxから起動しています。
もしファームアップデートを行ってしまった人はEMモードにしてください。
EMモードにするためのコマンドは、(以後、入力は赤字で記載します)

---
# echo -n 'NGNG' > /dev/fl3
# reboot
---

再起動後にtelnet接続すれば、EMモードになってるはずです。
目印は、ログイン画面の表示が「KURO-BOX-EM」になっていること。

では、ここからパーティションを削除します。

---
# /sbin/mfdisk -e /dev/hda
---

と入力してください。

---
# /sbin/mfdisk -e /dev/hda
delete partition 1
delete partition 2
delete partition 3
create partitions...
deleate all partitions.
The partition table has been altered!

Syncing disks.
---

こんな感じになったと思います。これでパーティションが削除されました。

次に新しいパーティションを作ります。
ハードディスクの容量は250GBでやっています。

---
# /sbin/mfdisk -c /dev/hda

Command (m for help): n
Command action
   e   extended
   p   primary partition (1-4)
p
Partition number (1-4): 1
First cylinder (1-30401, default 1): [なにも入力せずenter]
Using default value 1
Last cylinder or +size or +sizeM or +sizeK (1-30401, default 30401): +150000M

Command (m for help):
---

上記の処理で、Debianをインストールするためのパーティションを作成しました。
First cylinderの値はデフォルトの1、そこから150GB分のシリンダーをDebianのために予約しました。

次は同じようにして、スワップパーティションを作成します。

---
Command (m for help): n
Command action
   e   extended
   p   primary partition (1-4)
p
Partition number (1-4): 2
First cylinder (12750-30401, default 12750): [なにも入力せずenter]
Using default value 12750
Last cylinder or +size or +sizeM or +sizeK (12750-30401, default 30401): +2000M

Command (m for help):
---

スワップは2GB予約しました。

次に、残りの全ての領域をデータ保存用パーティションとして割り当てます。
本来は、このパーティションが玄箱をNASで使う場合のデータ保存領域になります。

---
Command (m for help): n
Command action
   e   extended
   p   primary partition (1-4)
p
Partition number (1-4): 3
First cylinder (14025-30401, default 14025): [なにも入力せずenter]
Using default value 14025
Last cylinder or +size or +sizeM or +sizeK (14025-30401, default 30401): [なにも入力せずenter]
Using default value 30401

Command (m for help):
---

これで3つのパーティションが予約できました。
次はこの中の第2パーティションをスワップとして予約します。

---
Command (m for help): t
Partition number (1-4): 2
Hex code (type L to list codes): 82
Changed system type of partition 2 to 82 (Linux swap)
---

Hex code 82というのがLinux swapなんですね。
ここまでのコマンドpで設定を確認しましょう。

---
Command (m for help): p

Disk /dev/hda: 255 heads, 63 sectors, 30401 cylinders
Units = cylinders of 16065 * 512 bytes

   Device Boot    Start       End    Blocks   Id  System
/dev/hda1             1     19123 153605466   83  Linux
/dev/hda2         19124     19378   2048287+  82  Linux swap
/dev/hda3         19379     30401  88542247+  83  Linux

Command (m for help):
---



次に、予約したパーティションをwriteしてパーティションを書き込みます。

---
Command (m for help): w
The partition table has been altered!

Syncing disks.
#
---

これでパーティションの書き込みが終了しました。
次に各パーティションをフォーマットしていきます。
まずは、Debianをインストールするパーティション。

---
# mke2fs -j /dev/hda1
mke2fs 1.22, 22-Jun-2001 for EXT2 FS 0.5b, 95/08/09
Filesystem label=
OS type: Linux
Block size=4096 (log=2)
Fragment size=4096 (log=2)
19202048 inodes, 38401366 blocks
1920068 blocks (5.00%) reserved for the super user
First data block=0
1172 block groups
32768 blocks per group, 32768 fragments per group
16384 inodes per group
Superblock backups stored on blocks:
        32768, 98304, 163840, 229376, 294912, 819200, 884736, 1605632, 2654208,
        4096000, 7962624, 11239424, 20480000, 23887872

Writing inode tables: done
Creating journal (8192 blocks): done
Writing superblocks and filesystem accounting information: done

This filesystem will be automatically checked every 24 mounts or
180 days, whichever comes first.  Use tune2fs -c or -i to override.
#
---

次にスワップパーティション。

---
# mkswap /dev/hda2
Setting up swapspace version 1, size = 2097438720 bytes
#
---

次にデータ保存領域のパーティション。

---
# /sbin/mke2fs -j -m 0 /dev/hda3
mke2fs 1.22, 22-Jun-2001 for EXT2 FS 0.5b, 95/08/09
Filesystem label=
OS type: Linux
Block size=4096 (log=2)
Fragment size=4096 (log=2)
11075584 inodes, 22135561 blocks
0 blocks (0.00%) reserved for the super user
First data block=0
676 block groups
32768 blocks per group, 32768 fragments per group
16384 inodes per group
Superblock backups stored on blocks:
        32768, 98304, 163840, 229376, 294912, 819200, 884736, 1605632, 2654208,
        4096000, 7962624, 11239424, 20480000

Writing inode tables: done
Creating journal (8192 blocks): done
Writing superblocks and filesystem accounting information: done

This filesystem will be automatically checked every 26 mounts or
180 days, whichever comes first.  Use tune2fs -c or -i to override.
#
---

念のために/hda3のパラメータを調整しておきます。
予約ファイルシステムのオフです。

---
# /sbin/tune2fs -m 0 /dev/hda3
tune2fs 1.22, 22-Jun-2001 for EXT2 FS 0.5b, 95/08/09
Setting reserved blocks percentage to 0 (0 blocks)
#
---

各パーティションをマウントしていきます。
Debianをインストールするパーティションを /mnt とします。

---
# /bin/mount -t ext3 /dev/hda1 /mnt
---

次に、データ保存領域を /mnt2 とします。

---
# /bin/mount -t ext3 /dev/hda3 /mnt2
---

これでDebianをインストールするための領域が作成できました。
dfコマンドで確認すると

---
# df -k
Filesystem           1k-blocks      Used Available Use% Mounted on
/dev/ram0                 9677      5129      4548  53% /
/dev/hda1            100798036     32828  95644896   0% /mnt
/dev/hda3            129483488     32828 129450660   0% /mnt2
---

こんな感じになっていると思います。
/ram0ってのはEMモードの領域ですね。

さて、次にDebianのインストールに入るための準備をします。
まず、

---
# mkdir /mnt2/share
---

として、mnt2にshareディレクトリを作成します。

次に、玄箱うぉううぉう♪からDebianのバイナリをダウンロードします。
現時点では、debian_2006_06_10_dist.tgzが最新バージョンでした。

debian_2006_06_10_dist.tgzを/mnt2/shareにFTPでバイナリ転送します。

転送が完了したら、

---
# cd /mnt
---

として、/mnt ディレクトリに移動し、

---
# tar xvzf /mnt2/share/debian_2006_06_10_dist.tgz
---

として、/mntにDebianを展開します。

展開が完了したら、ネットワークの設定をしときましょう。
まず、

---
# vi /mnt/etc/network/interfaces
---

として、interfacesを以下のように編集します。

===
# Used by ifup(8) and ifdown(8). See the interfaces(5) manpage or
# /usr/share/doc/ifupdown/examples for more information.
iface eth0 inet static
address 192.168.1.100        ← [使用環境に合わせて変更]
network 192.168.1.0           ← [使用環境に合わせて変更]
netmask 255.255.255.0
broadcast 192.168.1.255     ← [使用環境に合わせて変更]
gateway 192.168.1.1           ← [使用環境に合わせて変更]

iface lo inet loopback

auto eth0 lo
===

上記の設定では、192.168.1.0/24のネットワーク内で玄箱を192.168.1.100とするようにしています。
くれぐれも他端末とのIPの競合がないようにしてください。

次に、

---
# vi /mnt/etc/hosts
---

として、hostsを編集します。

===
127.0.0.1       localhost
192.168.1.100   KURO-BOX     ← [使用環境に合わせて変更]
===

次は、hosts.allow

---
# vi /mnt/etc/hosts.allow
---

===
# /etc/hosts.allow: list of hosts that are allowed to access the system.
#                   See the manual pages hosts_access(5), hosts_options(5)
#                   and /usr/doc/netbase/portmapper.txt.gz
#
# Example:    ALL: LOCAL @some_netgroup
#             ALL: .foobar.edu EXCEPT terminalserver.foobar.edu
#
# If you're going to protect the portmapper use the name "portmap" for the
# daemon name. Remember that you can only use the keyword "ALL" and IP
# addresses (NOT host or domain names) for the portmapper. See portmap(8)
# and /usr/doc/portmap/portmapper.txt.gz for further information.
#
#ALL : 192.168.0.0/255.255.255.0
ALL : ALL : ALLOW
===

一応、全ての端末からログインが可能なようにしました。

最後にresolv.confです。

---
# vi /mnt/etc/resolv.conf
---

===
search
nameserver 192.168.1.1     ← [使用環境に合わせて変更]
===

これで、Debian起動の準備ができました。
最後に、EMモードから通常起動に復帰するコマンドを打って再起動します。

---
# echo -n 'OKOK' > /dev/fl3
# reboot
---

再起動が完了したら、telnetで玄箱のIPアドレス(例では192.168.1.100)に接続してください。

---
Debian GNU/Linux 3.0 KURO-BOX
KURO-BOX login:
---

このログイン画面になっていれば成功しています。
ログインアカウントは tmp-kun パスワードも tmp-kun です。
ログインすると、

---
Debian GNU/Linux 3.0 KURO-BOX
KURO-BOX login: tmp-kun
Password: tmp-kun
Last login: Sun May  2 15:10:53 2004 from 192.168.0.32 on pts/0
Linux KURO-BOX 2.4.17_mvl21 #24 2004年 10月 19日 火曜日 17:17:03 JST ppc unknown

Most of the programs included with the Debian GNU/Linux system are
freely redistributable; the exact distribution terms for each program
are described in the individual files in /usr/share/doc/*/copyright

Debian GNU/Linux comes with ABSOLUTELY NO WARRANTY, to the extent
permitted by applicable law.
tmp-kun@KURO-BOX:~$
---

という感じになるはずです。

とりあえず、今回はここまで。おつかれさまでした。
次回は、インストールできたDebianをアップデートしたりしてみましょう。

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コメント

参考にさせていただいております、
なぜかトラックバックを二重に張ってしまったようなので、お手数ですが削除していただければ幸いですm(__)m

投稿: Sabotenboy | 2007年1月17日 (水) 16時09分

参考にさせていただいております、
トラックバックしたらダブってしまいました
申し訳ないです、
1つ削除していただければ幸いですm(__)m

投稿: Sabotenboy | 2007年1月17日 (水) 16時11分

Sabotenboyさんこんにちは。
トラックバックありがとうございます。
リンクもありがとうございます。玄箱いじりは楽しいですねえ。

投稿: rihi | 2007年1月18日 (木) 01時06分

Linux初心者にもわかりやすく、とても参考になりました。

ほかのサイトを参考に、フォーマットせずにやりたかったのですが、諦めたところ、こちらですんなりインストール完了しました。

投稿: しんいちろう | 2008年4月20日 (日) 02時18分

しんいちろうさん こんにちは。

それはよかったです^^
玄箱ネタなどの”やってみたシリーズ”は自分がやってうまくいったことは誰か他の人もやるかもしれないので参考になればいいなと思って掲載していますのでそう言っていただけるとうれしいです。

簡単な手順もできるだけ省略せずに書いているのは自分が簡単な手順をよくド忘れするからなんですがw初心者の方に分かりやすいというのは意外にうれしい副産物ですねw

投稿: rihi | 2008年5月30日 (金) 01時20分

 おかげさまで無事インストールできました。
丁寧な解説で助かりました。
色々な豊富で何度も失敗して諦めかけてましたので感謝です。

投稿: 朝太郎 | 2009年1月 8日 (木) 22時11分

朝太郎さん こんにちは。

インストールおめでとうございます^^
喜んでいただけて何よりです。

私自身、何度も失敗しながらやった結果なのでそれがお役に立てたのならとてもうれしいです。

投稿: rihi | 2009年1月12日 (月) 11時27分

ありがとうございます
このサイトのおかげでインストールできました

投稿: 初心者マン | 2009年1月23日 (金) 03時13分

初心者マンさん こんにちは。

お役に立ててなによりです^^
インストールの後もいろいろとセットアップがあると思いますが、玄箱 Debianライフを楽しんでくださいね。

投稿: rihi | 2009年1月23日 (金) 12時00分

ほんっとうに参考になりました!
おかげさまですんなりと(^^)

ありがとうございました!

投稿: うまきち改 | 2009年2月 2日 (月) 00時04分

うまきち改さん こんにちは。

どういたしまして^^
うまくいってよかったですね。
いろいろ楽しくいじり倒してくださいね。

投稿: rihi | 2009年2月 2日 (月) 10時15分

はじめまして。
Step by Step で 玄箱へ Debian が無事にインストール出来ました。
Debian GNU/Linux 4.0
Linux KURO-BOX 2.6.25.1-kurobox #10 Sun May 4 21:50:38 JST 2008 ppc

投稿: kuro-chan | 2009年12月27日 (日) 22時09分

kuro-chan さんこんにちは。

無事にインストールできてなによりです。
玄箱だと手軽にDebianが楽しめるのでいいですよね^^

投稿: rihi | 2009年12月27日 (日) 22時26分

すみませんが
tar xvzf /mnt2/share/debian_2006_06_10_dist.tgz
の所が上手くいきません。スペルが違うのでしょうか?
お忙しいところすみませんが、確認をお願いいたします。

投稿: YOU | 2011年9月 1日 (木) 00時17分

This is good that people can get the personal loans and it opens new chances.

投稿: CherylRollins35 | 2012年3月10日 (土) 05時04分

大変参考になりました。
ありがとうございます。

投稿: 雷 | 2012年8月 7日 (火) 22時43分

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受信: 2007年1月17日 (水) 16時04分

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